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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

妖怪へぇこかれた

『妖怪へぇこいたの手記』

へぇこいたなんていうフザケた名前でずっと続けてきたこのブログ。

「妖怪」という部分ももちろん大事だが、「屁」もまた欠かせぬ重要な要素であることは疑いようもない。

だが。

その大事な大事な「屁」の部分が今、揺らごうとしている。

 

「私おならすごいよ」

 

と、知り合ったばかりの時に可愛く言っていた恋人。

なに言ってんだいそんなの俺がひと吸いだぃ♡

なんて思っていたものの、共に暮らすようになり、それがウソではないということを知る。

僕の屁が拍手だとすれば、彼女の屁は戦車砲である。

僕が「ぷっ!」っと一笑い起こせそうなおならをしても、直後に「ドン!」と轟音でかき消される。笑いも何もあったもんじゃない、天変地異の類かと耳を疑うほどである。

本来おならは、「ふ」を基盤とした音であるから笑いも起こるしネタにもなる。

ふぅ、ぷぅ、ぶ、ぶぅ、など。

しかし僕の彼女のは「た行」の音なのである。

ダン! ドン! デュフ!

古より人々が恐れ崇め祀ってきた轟きのように、それは僕の心を震わせる。

妖怪へぇこかれた。

 

とにかくあの屁は並の屁じゃない。

ジャニーズのオーディションにこっそり息子のプロフィールを送っちゃうお母さんのような心境で、こっそり世界放屁大会にエントリーさせたいほどである。

 

さて。

臭いも当然屁を語る上では欠かせないのだが、腸の環境次第で様々に変わってしまう為に限定して語ることは難しい。

しかし彼女の屁はある特性を持っている。

それは、「凝る」のである。

 

ドン!

と音がして僕は彼女の方をハッと見る。すると彼女は真顔で僕をじぃっと見て、少しニヤケル。

直後、最初の刺激が僕の鼻をつく。

くさい。

一旦避難して、遠くからバスタオルなどでバタバタとする。

やれやれ、と戻ってみると、第二の刺激が鼻を襲う。

まだ、ある。

臭がる僕を見て彼女は大層愉快そうに笑っている。

僕もそれにつられてひと笑いして、さてもういいか、と思うと、第三の刺激がまた鼻をつつくのである。

また――まだ――ある。

その様を見てこれ以上ないほどに嬉しそうに嗤う彼女。

けけけけ、うけけけけ。

僕がその妖しさに怯えはじめた頃――ドン、と彼女は再び放つのである。

 

終わりなき戦いはまだ始まったばかりである。