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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

最後の最後は猫頼み

『妖怪へぇこいたの手記』

特集なんかしちゃっている妖怪検定の話。

僕も当然今年は上級を受けようと思っているのですが、ここに来て恐ろしいことに気付いてしまったのです。

それは、上級を受ける為に鳥取まで行く交通費。

常識知らずな僕ですから、鳥取県だとまぁ一万円ぐらいあれば行けるかなぁ。ぐらいに考えてたのです。本気で。

ところが!

いやまぁ「ところが!」なんて引っ張るまでもなくそれより遥かに高かったわけです。

当たり前――なようです。

ただ、これはあくまでも飛行機で行った場合。じゃあ電車で行けば時間はかかるけど安く行けるんじゃないか? と思い調べましたが、結局同じぐらいかかってしまいそう。

じゃあ深夜バスを使おうか! と思ったのですが、アレってほんとに苦痛らしいですね。映画館の二時間着席だけでもすぐケツ痛くなっていつも最後は「映画早く終われ」なんて祈っちゃう僕ですから、多分十時間以上のバス座席拘束は拷問。

妖怪検定は逃げやしませんが、受けたいものは受けたい。

しかし無い金は無い。逆立ちしたってヨガフレイムしたって出ないものは出ない。

えーやだやだいきたいいきたいでもこのままじゃいけないいけないぃぃぃぃ!

そして僕が閃いた最後の手段、それは――。

 

「招き猫を買おう!」

 

です。

と、いうわけで、招き猫発祥の寺としても有名な、世田谷区は豪徳寺に行って参りました。

招き猫を買った時に貰った由来書きを読みますと――

この寺は昔は僅かな雲水(禅宗の修行僧のこと)しかいない貧しい寺だったのですが、和尚が可愛がっていた猫に「何か恩返し的なことしてよぉ」とお願いしてみると、ある日たまたま通りがかった武士を招きいれてくれたそうな。

その武士曰く、「まるで門前にてその猫に手招きされたようだったのでちょっと寄らせてもらう」と。

そしてその武士こそ、井伊直孝(井伊直政の息子)その人です。

直孝が寺に寄り休息しつつ僧の説法を聞いていると、にわかに空が曇りたちまち物凄い雷雨になったそうな。

直孝は猫に招きいれてもらわなければ大変な目に遭っていたわけで、えらく感謝してそれ以来その寺を菩提所としたのです。

更にその一連の素敵な出来事をもたらしたのは猫であるとし、坊主らが招福猫児(まねぎねこ)としてその猫の姿を模して祀り、作ったのが招き猫の発祥だとされているのです。

※招き猫起源説は諸説あって、豪徳寺が本当に発祥かはわかりません。

 

因みにですが、井伊家と言えば彦根藩なのですが、彦根城や彦根市でお馴染みのマスコットキャラひこにゃんは、まさにこの豪徳寺の猫が起源です。諸説ないです。本当です。

なんでひこにゃんが猫なのか? というのはこの寺の伝説と招き猫が関係してたのです。

で、本当に歴代井伊様の墓所があったので、そこもしっかり参って来ました。

井伊直弼、井伊直政、井伊直孝……。特に井伊直政は戦国時代の武将の中でも特に好きなので、しっかり手を合わせました。井伊の赤備えの井伊直政の墓にこんな形で参ることになるとは。これもまた招福猫児のお蔭でしょうか。

そしてもちろんお猫様の祀られている招猫殿へも。

そこの横には、願いを叶えた招福猫児達がめっちゃいっぱいあります。

唯一ここで写真撮ったのでご覧あれ。

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この白いの、全部ネコさん。

豪徳寺の招福猫児は、本当にシンプルな、右手上げの猫さん。

そういえば京極夏彦の、榎木津大活躍の番外編、『百器徒然袋 風』に五徳猫、というサブタイトルのお話がありまして、それの冒頭はこの豪徳寺でした。確か主人公の本島が招き猫買ったのも豪徳寺だったような。

今思えば豪徳寺のゴウトクも五徳に掛かっていたのかも知れません。京極堂シリーズを読破した猛者なら絶対に面白いので、読んでみて欲しいです。

 

他にも、三重塔が面白かったです。

四面に干支の動物達が彫られているのですが、ネズミのところには真ん中に猫さんがドーンと彫られていて、横にネズミが二匹いるという面白いもの。流石豪徳寺。とことん猫びいき。

丁度三重塔辺りを見ていると、妖しげな妖怪染みたおじいさんが話しかけてきまして、ちょっとロレツがアレでしたが、色々なウンチクを教えて下さって有り難かったです。

外国人の観光客が特に多いようで、特にフランス人が多い、と言ってました。

「ロシア人も来るけど、ありゃあほんとに美人でさぁ、ぐひひひ」

とか言ってました。

あと、外国の方に「鬼」をなんと伝えたらいいのか困ってらっしゃったので、

「デビルとかでいいんじゃないですかね?」

と僕が言うと、

「デビル! それだ! デビルだ! お兄ちゃんやるね! デビルだ!」

とやけに興奮してました。ただ、その直後にちょっと考えてから、「でもちょっとニュアンス違うよなぁ」とか悩んでらっしゃいました。確かに、鬼を英訳するのは簡単じゃないんでしょう。「ONI」って言っちゃうのが一番な気がします。

 

この夏休み、仕事づくめで忙しく、さらに恋人も暑い夏には外デートはお断りとのことなので、唯一夏休みっぽいことが出来た日になりました。

とても気分もよかったので、一時間ぐらいかけて遠い駅まで歩き、途中お買いものなんかしながら帰りました。

そして帰宅してお財布を見て、「あれ? なんでこんなに無くなってんの?」と思ったわけです。

むしろ金出ていきまくったんですけど。右手上げは金運呼ぶって聞いてたんですが。

そして招福猫児を眺めていたら、なんだか憎たらしい顔してる気がしてきました。

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なるほど今回の豪徳寺行きはあまりにも突飛な考えだと自分でも思ってましたが、どうやらこの魔性の猫ちゃんに招かれちゃったようです。怪異怪異。