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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

都心の妖怪

『妖怪へぇこいたの手記』

ようやく引っ越し関係は一通り落ち着きまして、新たな地にて早速彼女と度々口論しながらもまぁなんとかうまくやっております。

「妖怪はお好きですか? 僕はーー」

「なんでもいいから早く洗濯取り込んで!」

かつての古巣は緑溢れる場所でありました。少し歩けば薄暗い林があったりお寺があったり。
何より鬼太郎とも所縁ある深大寺が徒歩圏内なのも素敵でした。
今はーー。
外に出れば車がビュンビュン走る首都高に国道、空を見上げればそびえ立つビルヂング。ちょっと歩けば都庁に着く。
なんてこったい!
妖怪はどこだ? 妖怪はいないのか?
「う~、あ~、うししし」
とか言いながらフラフラと歩く髪ボサボサの怪しいオッサン、奇声を上げて人ごみを駆け抜けていくおばさん。
そうか、ココには妖怪よりも妖怪っぽい人間がうじゃうじゃといるのです。
違う。
やはり、人こそ妖怪だったのだ!
みてーな恐ろしいところです。
新宿ダンジョン、未だに迷子です。
とにかく店にはTAX FREE!
店員さんのほとんどが外国人!
なんだここは。なんなのだここは。
ああぼくは緑が好きなのだ。草木の匂いが好きなのだ。
妖怪はいないのか。
「ねぇ。都心に妖怪は湧くのかな? 自然なものの何一つないこの場所に、あの不気味な妖怪達は果たしてーー」
「なんでもいいから早く食器洗ってきて!」
 
外に出れば何時でも煌煌と輝く建物があり、中には愛すべき鬼女がいて、ああそうか魑魅魍魎は滅んだのだと目を瞑ったその時ーー
妖怪は心に湧いたのです。
 
コンクリートに囲まれたこの場所で湧く妖怪は、きっと以前とは違うものでしょう。
でも、場所ではなく、どこにでも妖怪は湧いてくれるようです。
人がいればどこにでも。
いや、僕が想えばどこにでも。
都心って、都の心と書くぢゃあないか。そりゃもう湧きまくるでしょうそりゃ。
 
――ショキショキショキ
「お米とぎやしょか、人とってくいやしょか、ショキショキ」
「なんでもいいけどそんな雑にとがないでお米割れちゃうでしょ。水吸っちゃうんだから早くやって!」
「はい」
 
ほら。すでに鬼女はいるではないか。