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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

八十八

『妖怪へぇこいたの手記』

米だけはタッパーに入れて持っていくことにしている。

これが実に経済的で、適当な惣菜を安く買うだけで腹いっぱいになる。

梅干しを二つぐらい入れておけばそれだけでも喰えてしまう。梅干しと米との相性の良さを身に染みて感じるようになったのは老いたということなのか。

少し前まで、何故か謎の反米主食主義みたいなのになっていて、パンばかり食べていた。

しかしある人物に「パンって空気食ってるみたいじゃん」と言われて以来、なんか納得してしまって米を主食に切り替えた。

――実は、米を食べなくなった要因の一つに、「うまく炊けない」ということがあった。

どうしても適量の水分量だと少ない気がしてしまって、もうちょっと足せば丁度良いだろうな――と毎回余分に水を足す。お蔭で毎回必ずべちょべちょの米が炊けてしまう。

本当にコレに関しては己の学習力の無さを呪うばかりだが、とにかくそんなくだらない理由からいつの間にか米から遠ざかってしまっていたのである。

米は美味い。

日本人は米が合う――だとかよく聞くが、それは知らないしどうでもいいのだけれどとにかく美味いのは間違いなさそうである。

納豆、昆布の佃煮、梅干し、キュウリのキュウちゃん。

このへんが揃っていればまず困ることはない。

 

八百万の神を信ずる我が国日本では、米の一粒一粒にも何かが宿っていると信じたのだろう。

米は八十八という字に分解できるから、よく八十八と言い表される。米相場まで操作した稀代の将軍徳川吉宗も、八十八将軍なんて呼ばれていた。

八十八歳の米寿も↑の理由から来ている。

だからなんだと思うだろう。僕も思う。

 

昔々、あるところに僕がいた。

僕はニュースで「米国」という表示を見る度に、日本のことだと思っていた。

だからなんだと思うだろう。僕も思う。

 

米とパンとを比較して、決定的に違うところは、「詰まっている感」だと思う。

パンはよく言えばフワフワだが、悪く言えばスカスカである。

一方の米はみつしりと、ぎつしりと詰まっている感じがある。

ただ、小さい。

いつか品種改良が進み、おにぎり大の米粒が開発されたら、巨大米粒をバクリ――なんてことも可能になるかも知れない。それで味もそん色無いのだったら食べてみたいと思うが、想像するだけだとはしっこの方とか中心部とかが若干マズかったりしそうではある。

 

僕の場合、炊飯は水分量との戦いである。

もうちょっとだけ足しちゃいたい。もうちょっとだけ!

それをグッと堪え、目盛りの線の上か下かの微調整が出来るようになった昨今、おいしい米を食べれている。やっとである。三十年生きてきてやっと米をまともに炊けるようになったのである。

 

今更何を書いているのか、と思うだろう。もちろん、僕が一番そう思っている。