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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

タイムラグが情緒を生む

『妖怪へぇこいたの手記』

「文通をしましょう」

と職場の女性に云われたのはほんの数週間前の話。

以前妖怪サトリだ――と書いた女性ですが、どういうつもりでこのご時世に文通なのか? と最初は不気味で、断っていたのですが、どうしても文通がしたいのだということでやることにしました。

文通といってもやることは中学生の手紙交換みたいなもんなのですが、いざやってみると凄く楽しい。

普段はパソコンとかスマホでサクサク書いてサクサク変換しちゃってますが、実際に書く場合ビックリするぐらいに書けない字が多かったり、とにかく自分の字の汚さが気に入らなくなったりします。

特に内容は決まっているわけではなく、要はその女性は僕が色々駄文を書きつけることが好きだと知っていたようで、ずっと誰かと文通したかっただけのようなのです。

文通したい、という欲求自体どういう類のものかあまりピンとは来ないのですが、日常会話では語られないものをじっくり書きつけるという事は、思いの外得るものがある行為なのだと知りました。

もちろん、職場での態度からは想像できないような文章が面白かったり、可愛いとこあるなぁ、なんてほっこりしちゃったりという事もあるのですが、それ以上に「手紙の持つ非即効性」とでもいいますか、「すぐに読まれるわけじゃない」感じがなかなか赴きあっていとをかしなのです。

常日頃、書けばすぐに誰かに読まれるようなブログでばかり書いてますし、ツイッターなんかもそうですし、「書き終えて推敲するわけでも無いのになかなか読まれない物(けれども必ず読まれる物)」というのが面白いンですね。

様々な事を書いた手紙は、僕の想いを持っています。

けれどもそれは渡した瞬間にもまだ相手には伝わっていなくって、でも僕はもう書いているからその想いを伝えたような気になっていて――みたいな、なんとも言えないタイムラグが実に面白いのです。

恋文じゃないので、焦らされる感じとかヤキモキする感じは無いのですが、まぁとにかく面白いものだと思ったわけです。

 

また、普通に会話している僕と、手紙の中の僕も、また別人でしょう。

相手もまた同じ。

手紙の中でのやりとりは、僕と彼女のやりとりではあるものの、こちら側の僕と彼女のやりとりではない――というそんな不思議な感覚もあります。

 

まさか三十路突入して文通でワクワクするなんて思いもしませんでしたが、カタカタフリフリと文字を書くのとは違う原始的な感情表現の有り方というか、面白さというか、魅力みたいなものを再確認した次第です。

 

さて。はたしてこれが「おっさんとの文通」だったとしても同じぐらい僕は面白く思えたのだろうか? という踏み込んではならない疑問について考えたいと思います。

おっさんから、「文通しない?」と言われたら……

なるほど、どのような経緯であっても即答でお断りする自分が見えます。

つまり――そういうことでしょう。

 

休日に、文具店にまで足を運び、ルンルンで便箋を選ぶ、三十路独身の僕。

たまには文通楽しんだっていいじゃないか。

可愛く音符書いちゃったって、いいじゃないか。

すぐ真後ろには、圧倒的威圧感で現実サンがスタンバイしているのだから。

 

――PS.元気です 源平

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