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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

異邦人~きのう、あっぽっしゃが死んだ~

『妖怪へぇこいたの手記』

と、タイトルではカミュの異邦人パクりましたが、異邦人は外部からの者みたいな意味もあるので、あながち間違っていないということで。

 

――昨日。

やふーニュースにて、福井県福井市越廼の、なまはげ系妖怪であるあっぽっしゃの行事が少子化の影響で取り止めになるというニュースがありました。

越廼は背後には広大な山々が、そして眼前には青々とした日本海が開ける素敵な場所であります。福井県のまさに左端。なるほどあっぽっしゃの起源となった何かは、海か、或いは山を越えてやってきたのでしょう。

 

内容はちょっと違いますが、凄く似ているなまはげを例にしますと、今回の事は、

「泣く子はいねぇがぁ!」

とやりたいのにほんとに少子化で泣く子がいなくなっちゃったわけですね。

子供は沢山いるのに「泣く子(悪い子)」が少なくなったんならなまはげ系妖怪の大勝利ですが、そういうことじゃなくそもそも子供が少なくなっちゃったようです。

あと住民の反対もちょっとあったとかなんとか。子供にあんなの見せらんないとかなんとか。現代のリアルですね。

 

まさか妖怪も少子化の影響を受けるなんて露ほども思っていなかったでしょうが、妖怪というのは時代毎に多かれ少なかれ変化していくものです。

その変化を受け入れられなかった妖怪というのは次第に絵や文字のみの存在となり、それもなくなればすっかり忘れられ、「死んで」しまうものなのでしょう。

言い伝えられてこその妖怪。

そしてこのあっぽっしゃのように、伝統行事ありきの妖怪というのは、とても脆いものです。より合理的に洗練されていくのは伝統行事も同じことで、今ある伝統行事の多くは時代に合わせて変化してきています。

ならば。

あっぽっしゃも今こそ進化の時!

そもそもこの手の妖怪は、なぜか「子供ありき」なのですが、起源が渡来人やマレビト信仰にあるのだとすればやりようはあるような気がするのです。

事実、このあっぽっしゃも、一度その行事が中断され、また復活した経緯があるそうですし。

あっぽっしゃは、あっぽ(お餅)ほしや、が訛ったものらしいです。

いっそ逆に鬼がお餅を配る、ハロウィンみたいな行事にするとか。

または県外からの観光客に鬼役やってもらって割と起源に忠実な行事にするとか。

 

まぁ偉そうに好き勝手書いてきちゃいましたが、その地域の人々、特に年配の方にとっては悲しい報せだったのではないでしょうか。

 

あっぽっしゃは妖怪としても扱われているので取り上げましたが、妖怪ではない極普通の伝統行事も、どんどん淘汰されていっています。

僕の実家の辺りでも、年々「人が集まらない」とか、「みんな興味ないから」とか言う理由で消えていった行事がいくつもありました。

僕の大好きな行事、「どんど焼き」も、ビニール製のダルマやら塗料塗りたくった破魔矢やらをガンガン燃やして団子焼くわけで、あれも絶対近い内になくなっちゃうでしょう。というかどんど焼きを知っている人もどんどどんど減っていっているのでしょうが。

 

悲しい事なのか、それとも仕方のない事なのか。もしくは喜ぶべき事なのか。

僕が老いて死ぬ時、世界は一体どのような姿に変貌しているのか。

とにかく、あっぽっしゃの再起を願って。