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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

日本神話と妖怪~天地開闢編~

日本神話と妖怪

天地御開闢

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天瓊を以て滄海を探るの図

 

ついに日本神話に突っ込もうという日がやってきました。

日本神話の神々が多くの妖怪の原型となっていることは間違いのないコトなわけで、スルーして良いわけないのですが、一体日本神話の何が僕を今日という日まで書かさずにいたのか。

それは、「名前」でありましょう。

なにしろ沢山の神様が出てくる。おそ松くんなんてお粗末なものに思えちゃうほど、神様各々ポコポコと新たな神様をお産みになられる。

日本神話を読もうとするのはドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟を読もうとする感じに似ているとさえ思うわけです。

完遂するのにどれだけかかるか解りませんが、妖怪と関係ありそうな神様をピックアップしながら、ゆっくり進めようと思っています。

が、カタカナ連発で眠くなってしまったのなら素直にそっ閉じして頂ければよろしいかと思いますし、もしかしたらこの記事も投稿するまで至らずお蔵入りの可能性もありますのでその辺どうかご理解ください。

 

はじめに、ちょっと日本神話の予備知識をば。

・『古事記』、『日本書紀』共に、天武天皇により編纂を命じられて書かれたもの。

・一世紀前に日本に多く存在した多くの氏族の伝承、信仰を一つにまとめ、かつそれぞれの氏族が都合よくアレンジしていった部分を排除し、「正史」と呼べる偽りのない国の話を作ろうぜ! という意向の元での一大プロジェクトが日本神話の編纂だった。

・もちろん、天皇がその権威を絶対的なモノとし、中心であることを示す為――という意味もあった。

 

つまり実際に起きたであろう様々な氏族間の出来事や伝承が神話内には包括されてるわけですね。ぶっとんだ逸話もちゃんとした背景があると考えながら読むと、妄想が膨らんで面白いものです。

 

とにかく!

天地開闢(てんちかいびゃく)編、いきます。

(日本書紀と古事記の二つの内、ココでは主に古事記ベースで進めますのであしからず)

 

天地(あめつち)初めてひらけし時――

との文で始まる天地開闢の様子。天地開闢とは要は天と地とが出来始めて来たよ、ぐらいの意味で、まず初めに突然三体の神様が現れます(現れる、とは書いたものの姿は見えない神様となっています)。

その三神は、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)高御産巣日神(たかみむすひのかみ)、神産巣日神(かみむすひのかみ)の三神。

正に原初の神と言えるこの三神は、「造化三神(ぞうかのさんしん)」と呼ばれます。

面白いのが、天之御中主神は宇宙の中心にいる絶対的な神であるにも関わらず、古代では天照大御神が基本的に主神です。

普通なら、ずっと後に登場する天照大御神よりも宇宙の中心でもあり天地開闢に最初に登場する天之御中主神が主神になりそうなもの

なぜなのか?

これは実に興味深い説が幾つもあるのですが、その一つを紹介すると――

『古事記』編纂時期以前に天之御中主神を祀っていた神社というのは極めて少ない。それはつまりこの「天地開闢」のパートが古事記の編纂に合わせて追加された可能性がある。故に主神はあくまでもアマテラスであり、天之御中主神は古事記のみに登場する天地開闢パートの為の神である可能性がある――

というもの。

これを裏付けるものとして、他国に献上したと云われる『日本書紀』には天之御中主神が本文中に出てこないのです。

天之御中主神の原型となっているのが渡来人だったという説もあり、なるほど確かに諸外国向けの『日本書紀』に、渡来人が元になっている神が原初の神だ――とは書けなかったわけですね。

(因みに天之御中主神は後の神仏習合にて妙見菩薩と習合されていきます)

 

さて話を戻しましょう。

とりあえずなんかわからんけどいきなり三神が現れました。

しかしまだ天地は未完成。それはまるで「水に浮かぶどろりとした油のようであり、また海にゆらゆらと揺れるクラゲのようでもあった」のだとか。

その時。

得体の知れない油のような世界に、葦の芽が二本伸びてきて、それが神様になりました。宇摩志阿斯訶備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)と、天之常立神(あめのとこたちのかみ)です。

 

ウマシアシカビヒコジノカミとアメノトコタチノカミとカミムシヒノカミと――もう正直ファミコンソフトのパスワードでもメモしてる気分になってきましたが、めげないでください。まだ天地開闢の序盤も序盤です。

 

以上ここまでに現れた神様達は、性別の無い「独神(ひとりがみ)」と呼ばれ、さらに天地創造に関わった特別な神として「別天神(ことあまつかみ)」とも呼ばれます。

ここまでの神様は、観念的な「天」の神々のイメージですね。

実は人間の進化過程をも現しているとされる日本神話、最初は姿も性別も無い神々ですが、次第に段々と「人間らしい」神々が生まれてきます。そこらへんはまさに人間の進化過程をやってるわけです。日本神話って実はすげぇ練り込まれてるんですよね。

 

で、ここから我らが国土を作り上げるべくさらに多くの神が出てきます。

まずは、別天神と同じような姿の無い二神が現れます。国之常立神(くにのとこたちのかみ)と、豊雲野神(とよくもののかみ)です。

この国之常立神(くにのとこたちのかみ)こそ、『日本書紀』では原初の神となっている神で、伊勢神道なんかでも宇宙の根源とされています。また、別天神の中の天之常立神(あめのとこたちのかみ)と名前で対になっていることも解るかと思います。アチラは天を、コチラは国(地)を、という具合ですね。

豊雲野神(とよくもののかみ)は雲を神格化した神様ですが、神話中の登場がほぼ皆無な神様でもあります。消えて行く雲のようだ。

 

そして国土をしっかりしたものにするために五組のカップル神が現れます。

まずは、種を植えるべく泥土を耕す、宇比地邇神(うひぢにのかみ)と 須比智邇神(すひぢにのかみ)のカップル。

次に、耕した土地の土が流れぬよう杭を打ったり、領土の占有を現す目印としたり、何かと地味に重要な杭のカップルである角杙神(つのぐひのかみ)活杙神(いくぐひのかみ)

土地があっても住めなきゃ意味ない! ということで住居に関わる意富斗能地神(おほとのじのかみ)大斗乃弁神(おほとのべのかみ)のカップル。

やったー地面出来たぁ! と喜び祝福し畏怖する為の於母陀流神(おもだるのかみ)阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)のカップル。

そしてお待たせしました。神も国もぽこぼこ産んじゃう、我らが日本の生みの親、伊邪那岐神(いざなぎのかみ)伊邪那美神(いざなみのかみ)のカップル。

 

この五組のリア充と、二柱の姿の無い神を合せて「神世七代(かみのよななよ)」と言います。

 

とりあえずこれで土地を作る準備は整いました。

そして馴染みのあるイザナギ、イザナミも出てきましたし、天地開闢編はここまで。

本当はイザナギとイザナミのラブシーンも書きたかったのですが、そこまで行くと国生みに入っちゃいますし漢字疲れしちゃいそうなのでまた次回に回します。

イザナギとイザナミのラブシーンはかなり良いですよ。エロくてエグくて。

妖怪のよの字も今回は出て来ませんでしたが、もう少し行けば妖怪臭さがプンプンする神様が沢山出てきますので、今回はごめんなさい。

 

では最後に、今回出てきた神様の中でも一際長くて「うへぇ」となってしまう名前を連呼しながらお別れしたいと思います。

宇摩志阿斯訶備比古遅神! ウマシアシカビヒコヂノカミ! うましあしかびひこぢのかみ! チナミニアシカビは葦の芽の意味でウマシアシカビヒコヂノカミ!

つづく(といいなぁ)