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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

雨そぼふる夜の怪

『妖怪へぇこいたの手記』

雨は厭なものです。

寒いし、冷たい。

さらに痛い。

台風接近で「そぼふる」という感じではない雨がゴウゴウと降っていますが、雨の夜にはあるものが良く出るのは妖怪界の常識であります。

雨女だの小雨坊だの、いかにも雨な名前の妖怪もいらっしゃいますが、そうじゃないのです。

怪火、鬼火の類。

これが、どういうわけか「雨の夜」の定番になっているんですね。

 

度々お世話になっている大阪のお婆ちゃん、姥火なんかも雨の降る夜に出ます。

他にも奈良県には小右衛門火(こえもんび)なんていうのが雨の夜に随分長い距離を飛ぶようですし、野宿火老人火なんかも雨の夜ですね。

化け火なんていうトランスフォーマーな怪火も小雨の夜や曇りの夜。三重の悪路神の火も雨の夜です。

 

雨と火なんて正反対ですし、雨の夜に火なんておかしい――と思うかも知れません。

ただ、おかしい=わからない、とも言えますし、雨の夜に見えた火だからこそ妖怪となったような気もします。

あと、今日、帰り道しこたま雨に打たれてしとどに濡れて、なぜ怪火が雨の夜に多いか、違う理由を見つけた気がしたのです。

それは、願望です。

厭な雨で冷えた身体、ハッキリしない意識。そんな状況では、暖かな火や光を自然と求めてしまうのです。

雨により極限まで追い詰められた者ならば、実際に火を見た気になりもするでしょう。

この願望説を裏付けるのが、いくつかの怪火は「雨の夜」に加えて、「寒い夜」という条件が加わるものもあるということです。

更に、野宿火に至っては火が見えるばかりか、話し声まで聞こえると云います。

完全に幻覚&幻聴のコンボです。

 

火と光。僕らは自覚せずともこの二つが大好きなのです。たぶん。

でも帰宅して電気点ける前に風呂を沸かした僕は火と光よりも風呂が好きなのです。絶対。