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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

妖怪か泥棒か

『妖怪へぇこいたの手記』

先週、我が家に何者かが侵入したと思われます。

書かずにいたのは、色々な不安も含めた配慮ですが、残念ながらもうその何者かは来なくなりました。

 

証拠は二つ。

 

帰宅したら、絶対に閉めていた筈のカーテンが開かれていたこと。

絶対に開けていた筈のキッチンの窓が閉められていたこと。網戸も一緒に。

 

もちろん気のせいの可能性も疑いましたが、カーテンは無意識で開けてしまった可能性はあるものの、キッチンのトコロの窓は絶対に開いていました。そこから入ったのか? ――玄関開いてたのに。

 

うおやべぇこえぇ、と思っていたのですが、泥棒にしては妙なのです。

何も盗られていないのです。

一番目に留まる、パソコンデスクの上にキャッシュカードとか散らばってるのに。

 

そして一週間が経ちました。

昨日の事、よっしゃ買ったのに放置してたビール飲むかぁ! と思い冷蔵庫を開けると、ビールが無いことに気付いたのです。

間違いなく買ってありました。

「まさかビール(発泡酒)だけ盗ったのか?」

 

僕は考えました。

 

――恐らく、犯人はおじいちゃんだろう(根拠無し)。

そしてキャッシュカードなどに手を付けなかったことから考えると……目が見えないのだ。

しかし光量のある場所なら僅かに見えるのかも知れない。

だからカーテンを開けた。

 

――折角侵入したのに何も盗らずに出て行くのは悲しい。

とは言え、期待した乙女な部屋とは程遠い、汚くて臭いおっさんの部屋に侵入してしまったようだ。

悔しい。

もう逃げよう、と思った時、冷蔵庫に小指をぶつけた。

なんて酷くてイカサマな配置だ。

ちくしょう、開けてやるわい!

ん? この形は……しめしめ、ビールじゃな。エビスかな? ぺっ、発泡酒じゃねぇか。ワシもヤキが回ったのぅ。

!!?

この馬鹿者め、玄関にカギをかけていない!!?

……ふぅ。なめられたモンじゃのう。

音無し座頭の与市――とまで恐れられたワシが、こんな部屋に入っちまうとはの。

あぁもう引退じゃな。これも天啓、最後に相応しいと思えばそうなのかもしれん。滑稽にも台所の窓を必死になってくぐったが、まさかすぐ隣の玄関が開いとるとはの。

盲の盲点。こりゃ笑えんわい。

哀れな人生じゃったのう……。お銀はあの世で元気にしとるかいな。

嗚呼……雨が降っとる。

馬鹿者、ワシが来なかったら窓開けっ放しだったんじゃぞ?

閉めといてやるわい。最後の仕事じゃ。

……しかしあれじゃな。このまま帰るのもシャクじゃ。引退記念に、刺し違えてやろうかの……ひっひっひ。

よし、押入れにすっぽり入れる。

ここの主がここを開けた途端、この長年世話になった針で刺し殺してやろう。

 

 

――そして音無し座頭は今も押入れで息を殺して僕が戸を開けるのをじっと待っているのだ。

いや、なんか笑えない。あれ以来押入れとか開けてないですし。

 

結論。

戸締りはしっかり、ね☆