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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

もう! 私のこと忘れちゃったのぉ?(*`ε´*)#

『妖怪へぇこいたの手記』

日々何人ものお客様をお相手していると、どうしても記憶されるお客様と記憶されないお客様とが出てくる。

有体に言えば、可愛い女の子なんかはまず間違いなく覚えている。

また、強面のおじさんなんかも恐怖心からか覚えている。

おじいちゃんも、クセのある方が多いから覚えている。

しかし気付いてしまった。

おばあちゃんは、基本的に全員が「おばあちゃん」というカテゴリに振り分けられて記憶されているようなのだ。記号である。

故に、前日来て「明日来ます」と言ったおばあちゃんを覚えていない。

それがまさに今日あって、

「もう、昨日言ったでしょ? 忘れちゃったのぉ?」

なんて少女に言われたら胸キュンなセリフをおばあちゃんに言われる羽目になってしまった。

 

実は僕、恐ろしいほどに記憶力が悪い。

職場でも度々指摘される。

「すべてに興味が無い男」と解釈されてしまっているようで、甚だ心外なのだが、確かにちょっとマジでヤバイかも……と自覚するレベルで物忘れをすることがある。

そんなんだから、前日の「あばあちゃん」が僕の脳内容量にしがみついて残る可能性は極めて低い。

しかし僕は、そのおばあちゃんがおばあちゃんという記号を抜け出し一人の確かな人物として現出する過程を見た。

「井上陽水に似てる……」

それに気付いた瞬間、僕はそのおばあちゃんが前日訪ねてきたことをありありと思い出したのだ。

何がどう繋がるかわからんものである。

 

――で、陽水さんが帰って数分後、違う用件もあったらしく、またそのおばあちゃんは来店したのだが……。

なんと僕はまたもそのあばあちゃんを忘れていたのだ(まじ)。

井上陽水似のおばあちゃん――は、わずか数分で記号としての「おばあちゃん」に戻ってしまったことになる。

 

井上陽水がおばあちゃんに負けた瞬間である。

 

ちょっと僕やっぱり店長向いてないと思います、えぇ。