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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

鈴鹿御前(すずかごぜん)は天女か鬼女か

鈴鹿御前(すずかごぜん)

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歌川国芳『東海道五十三対 土山』

 

知る人ぞ知る、謎に満ちた美女妖怪、鈴鹿御前。

名前は妖怪の中でもトップクラスの有名さである。

で、これまた例の如く有名な妖怪というのは不思議なことに正体や由来がわけわかめなのである。

 

その原因が、鈴鹿御前と必ずセットになっている坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)にあることは疑いようがない。

例えば酒呑童子がそうであったように、実は酒呑童子はただの盛り上げ役、敵役に過ぎず、源頼光率いるヒーローズの活躍こそがメインであった。

勧善懲悪の王道ストーリーを描く為に生まれた(それが単なる勧善懲悪譚でなく実際の様々な情勢等を盛り込んだ話である――という推測は置いといて)敵役は、当然魅力的である必要があり、また多くの派生譚が生まれてしまうものでもある。

 

鈴鹿御前もまた然り。

鬼退治の名手、武の田村麻呂etc……様々な異名を持つ坂上田村麻呂の物語を描写する上で魅力的に活躍する鈴鹿御前には、実に様々なバリエーションの「役」が振り当てられている。

 

・鈴鹿山で大暴れする悪鬼「大嶽丸」を討伐せよと命ぜられた坂上田村麻呂。しかし大嶽丸は強くって歯が立たない。そんな時鈴鹿山の権現である鈴鹿御前が助力し、無事に大嶽丸を退治。更に鈴鹿御前と田村麻呂は結婚しめでたしめでたし。

 

・悪路王(阿弖流為とも)を討つために、妖術を使うとされる鬼女であり美女である鈴鹿御前に協力を仰ぎ、見事悪路王を追い詰める。

 

・鈴鹿御前は別名を「立烏帽子」とも言う。立烏帽子は盗賊などが好んで被っていたものでもあり、それ故に鈴鹿御前=女盗賊説まで浮上した。

 

――天女だったり鬼女だったり盗賊だったり、とにかく鈴鹿御前はマルチな才能を発揮する美女だったようだ。

じゃあ結局その実はなんだったのよ?

ということになるが、現代でも鈴鹿山脈の鈴鹿権現(瀬織津姫命せおりつひめのみこと)として祀られていることからも解るように、山を神格化し女神化したものなのだろうと思う。

 

まぁ、やっぱり正体はなんだ由来はなんだとおあんまり真剣に考えるのは野暮なもので、鈴鹿御前って美人らしいぜーしかも色んな伝説残ってるミステリアスガールらしいぜー! ぐらいで盛り上がるのがベストなのは間違いない。