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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

憑き物落としとさよならエロい人

『妖怪へぇこいたの手記』

憑き物と言っても過言ではない程に、ここ数か月間続いた二輪免許のプレッシャーは僕にとって大きなものでした。

それもやはり一発試験に二回落ちてからの教習所という厭な経験に依るところが大きく、ある意味で最高にしょぼい筈の「小型AT限定」は最高に手の届かない免許のように思えてならなかったのです。

――で、ようやく今日検定を終え、合格しました。

文字のなんと冷徹なことか。こうして書けばたった一行。しかし僕は昨日の仕事中からずっと今日の検定の事を考え、平均台に落ちて絶望する自分の姿ばかりが脳裏をよぎっていたのです。大体は気楽にポジティブに生きているくせに、ここぞという時に徹底的にネガティブになるんですから救いようがありません。

検定で一緒だった普通二輪や大型二輪の方以上に緊張していた自信すらあります。

 

卒業式? とは名ばかりのただのアンケート用紙記入の時間を終え、すぐに免許センターへ向かい、かつて一発試験の時に僕を担当してくれた女性警察官を見かけ、声をかけようかと思ったけれどヤメ、相変わらずどうしてもブサイクにしか映らない証明写真を撮られ、「ただしAT車に限る」と厭な感じの烙印をされた免許を受け取り帰宅しました。

 

憑き物が落ちた。

――とはこういう感じなのでしょう。

解放されたもののどうしていいか解らない僕は、とりあえず喜びのはけ口を求めて足の爪を切りました。意味は無いです。若干臭かったです。

 

さて。

教習所の職員の方で、僕の大層苦手な女性がおりました。

いつ行っても笑顔で、優しい声をかけてくれて、エロさの漂う女性です。

が。

それが本物の艶っぽさなら魅力的にも見えましょう。

しかし違うのです。先ほどの一文には、「なんかうそくせー」を付ける必要がある感じなのです。

「いつ行ってもなんかうそくせー笑顔で、なんかうそくせー優しい声をかけてくれて、なんかうそくせーエロさの漂う女性です」

しっくり来ました。

この「なんかうそくせーエロさ」の部分に関しては特に説明しにくいのですが、例えるなら――初対面でも電話番号聞いたらすぐ教えてくれてデートの約束までできちゃったんだけどいざコトに及ぶくだりになったら突然「私、こう見えて結構マジメなんだよ?」とか言い出したくせに五分後には乗り気でシャワー浴びちゃって帰ったら友達にボロカスにその時の悪口言いまくって翌日また違う男に媚びる感じ――でしょうか。

通う毎にたぶん僕のひきつり笑顔は強烈になっていったと思うのですが、残念ながら卒業した今日は逢えませんでした。いや、遭いませんでした。

さよなら、たぶんエロい人。

 

面白いのが、教習所を後にして向かった免許センターで見かけた女性警察官は、今書いたたぶんエロい人とは完全に反対の雰囲気を持った女性なこと。面白いも何も、そりゃ色んな女性がいるわけなんですが。

門前で棒を持ち仁王立ちする様はまさに法の番人に相応しい迫力で、事実僕が話しかける機会を失ったのも、禁煙の場所でタバコを吸っていた輩をその女性警察官が烈火のごとく怒鳴りつけていたからに外なりません。

実写版パトレイバーにぜひ出て欲しいぐらいです。

 

とにかく――憑き物と例えはしましたが、教習所に通ったことは本当に良かったと思っています。車の免許取っただけじゃ到底解らない二輪のことを学べましたから。

「二輪は本当に面白いから、気が向いたら普通二輪も取りにおいで」

と最後に言ってくれた教官に、僕は最高の笑顔で「はい!」と言って去りました。

訂正。

「二輪は本当に面白いから、気が向いたら普通二輪も取りにおいで」

と最後に言ってくれた教官に、僕はなんかうそくせー作り笑顔で「はい!」と言って去りました。