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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

コンビニの妖気

『妖怪へぇこいたの手記』

 貧乏にとっての最大の敵は「コンビニ」である。

――と言っても過言ではないでしょう。

スーパーよりも高い値段なのに、フラっと引き寄せられてしまう妖気を発しているコンビニ。

昼飯代をなんとか安く済ませたのに、帰り際のコンビニで気付くと倍近い額の買い物をしていたりします。

 

職場から、僕が原付を停めている駐輪場までの間にざっと5件のコンビニがあります。

心身共に疲れ、腹を空かせてとぼとぼと歩く道すがら、明るく色とりどりの商品で飾られたコンビニは常世とは思えぬ妖しさで人々を誘うのです。

艶やかな女型の妖怪達が、全裸で艶めかしく踊りながら誘う。

4件までは気合でスルーできます。

しかし、駐輪場の真隣にある最後のコンビニ。僕は何度そこに吸い寄せられたことでしょうか。

あと数歩歩けば原付に跨って帰れるのに、その気の緩みに漬け込んで、コンビニは僕を攫い、我に帰ればレジにて

「特製肉まん一つ」

と言わされているのです。

 

翌日が休日、尚且つ良い事があった日などは歯止めが効きません。

 

家に帰ればバナナがある。

だから帰ろう。

でもバナナだけって……。

目の前には何でもある。

甘いあんぱんが食べたい。

辛めのカレーパンも良い。

でもダメだ。逃げちゃだめだ。

いや待てよ。

家のバナナで我慢する方が「逃げ」なんじゃないのか?

明日は休みだぞ? 今日も頑張ったじゃないか。少しぐらい――いいじゃないか。

どうする?

どうする?

やめとく?

入っちゃう?

 

「ピザまんとアメリカンドッグください。あ、ビールと袋は一緒でいいです」

 

このコンビニの妖気に打ち勝つためには、自らの金銭事情を厳に見つめ直すこと。あるいは財布を海に投げ捨てること。それも出来ない腰抜け野郎は――ここから無間地獄へ行き畜生道と織田無道(司馬遼太郎的余談だが、僕は織田無道に銭湯でばったり逢ったことがある。それだけ)を突き抜けて僕に100円渡すときっと全てが赦されます。