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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

貴様如きがこの私を傷付けられるとでも? 山姫(やまひめ)

山姫
 
山姫、または山女(やまおんな)は、全国各地に伝承の残る妖怪である。
多くの場合は美女となっており、生き血を吸われたり散々夜の相手をさせられたりした挙句殺されたりと、基本的に恐ろしい妖怪として伝わっている。
 
山姥同様、今よりずっと山が神聖で不思議な場所とされていた時代には、山で暮らすあまり認知されていない人も多く存在していた。
そういった人々が麓の人に目撃され、「妖怪」とされてしまったーーと考えるのは自然な事であると思う。
 
ただ、中には到底人とは思えない伝承もある。ここではそんな超山姫の伝説をば。
 
ある男が、狩りの為に山の奥深くまで入ったところ、二十歳ほどの女に出くわした。
その女は、珍しい綺麗な柄の小袖を纏い、艶やかな黒髪で、顔も端麗と、文句の付け所が無いほどの美人だった。
しかし、こんな山奥にこのような美人が一人でいるとは実に怪しい、と男は思い、鉄砲を構え、女の真っ只中を狙って撃った。
すると、なんと女は放たれた弾丸を右手で掴み、男の方を見て牡丹のような美しい唇で微笑んだ。
工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工!!???
と思った男はすぐにもう一発、よく狙って撃ったが、今度は左手で弾丸を掴まれ、女はまた何事もなかったかのようにまた微笑んだ。
いやこれまじなんなのやばいこわい、と思った男は怖くなり逃げ出した。女は特に追いかけても来ず、男は無事に帰ることができた。
後にその話を年長者に語ると、
「それは山姫だ。気に入られることができれば宝なんかをくれたりもするんだよ」
と教えてくれた。
 
ーーという話である。
山姫の超人っぷりは敢えて無視して、他の部分でいつも僕は思うことがある。
こういった類の「美女に出会った」パターンの話で、どうして男はいつも、簡単に化け物と決めつけて鉄砲をぶっ放すのか?  もし本当に山奥で迷ってしまっている美女だったらどうするのか? 
そこで、この伝承を「実は本物の美女でしたバージョン」で考えてみる。
 
バン!
「死んだ!? うわやべ妖怪じゃなくて本物の女だったみてぇだ。どーしよどーしよ」
「長老、俺山奥ですんげぇ美人な女を撃っちゃったんですがどうしたらいいですか?」
「えー。なにそれヤバイじゃん偉いお姫様とかだったらどうすんだよー」
「でもあんな山奥に綺麗な小袖着て立ってたら妖怪だと思いますよ」
「まぁそうだよなぁ。じゃあもう妖怪にしちゃおうよ。妖怪山姫。逃げ帰ったことにしとけばいいし、どうせあんな場所わかんないよ。俺も長老としての立場上、面倒なことは御免だしさ」
「流石長老頭いいですね、そうします」
妖怪山姫の伝承完成。
 
勝手に想像しただけなのになんだか怖い。人が。