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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

烏天狗兄弟とお師匠様~イケメンは天狗でした~

『うぃき的現代妖怪絵巻』

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 *sakk!*画「烏天狗兄弟&師匠」

 

人間界にこっそりと紛れて暮らす妖怪が多い事は知る人ぞ知る事実である。

狐狸は勿論の事、河童も例外では無い。

しかし、天狗も人間の生活に入り込んでいることを知る者は少ないだろう。

ましてやそれがイケメンだったのなら……。

 

東京都八王子市に聳える霊峰高尾山。

あの役行者も修行をしたと伝わる霊場でもあり、また「寺院の中に神社がある」という神仏習合の影響を強く感じることの出来る場所でもある。

天狗伝説も色濃く残っており、高尾山薬王院内の権現堂前には大天狗と烏天狗の像が立てられている。

そしてその天狗が人の姿をして生活しているのが、今回紹介する烏天狗兄弟と師匠である。

 

高尾山を棲家に、世の人々の「覚醒」を促す天狗の修験者としての本来の役割を担っているのが烏天狗兄弟の弟である照創 点(テレツク テン、絵の右側)。

そして幼い頃から兄弟を教えてきた高尾山の大天狗が、絵中央の伝手邏 典(デンデラ デン)師匠である。

 

――さて、高尾山権現堂前の天狗像は二体。一つは大天狗の伝手邏 典であり、もう一つの烏天狗は弟の照創 点である。

兄貴はどこへ行ってしまったのか?

 

高尾山薬王院、飯縄権現堂は、名の通り飯縄権現を祀る社である。

長野県の飯縄山に端を発する飯縄権現は、大天狗、烏天狗2体、そして白狐のセットになっている場合が多い。

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高尾山飯縄権現堂も飯縄権現を守護神として祀っている以上そうあるべきであったのだが、これには色々ワケがあったのだ。

 

神仏習合の結果、強引に大天狗の乗り物のように扱われるようになってしまった狐が、ある時そのプライドの高さから大天狗を乗せる事を拒否し、どこかへ逃げてしまった。

烏天狗兄弟の兄、天造 点(テンツク テン)は幼い頃からその狐とは仲が良く、狐が失踪した際に自らも天狗としての有り方を考えてしまい、「世を知る為己の為」と高尾山を出て行ってしまった。勿論狐探しとしう目的もある。

 

――そうして兄の天造 点ははるばる江の島へまで行き、そこでサーフィンをしたり人間の女性とアレコレしたりと好き放題して過ごした。

しかし現在は大変おっかない恋人を作り、再度天狗としての有り方を自問する日々に落ち着いている。

 

天狗にも色々あるようだ。

 

人の世界に触れ、「今、天狗に出来る事」を模索する姿勢は兄弟、師匠共に同じ。

しかし人が自分達の生活を豊かにすべく自然を破壊していく速度の前で、天狗達の武器とする「信仰」はあまりにも脆かった。

それでも……。

現在、兄は本格的な狐探しに乗り出し、もう一度稲荷神と協力することは出来ないかと考えている。

師匠と弟は、かの牛若丸を見事「覚醒」させた鞍馬山僧正坊(鞍馬天狗)に今後の事を相談する内容をLINEでやり取りしている。

 

 

哀しいかな、このように最早天狗達はすっかり威光を失ってしまっている。

天狗はテングであって欲しい、と思うばかりである。

 

 

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