読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

お江戸のペット事情だにゃん~犬の妖怪が少ないのはなんでなんだにゃん?~

『江戸時代と妖怪』

f:id:youkaiwiki:20130904183100j:plain

 歌川国芳画

 

庶民的な動物でまず思い浮かぶのがネコとイヌ。

ペットとしても他を圧倒する二強ですが、実はこれは江戸時代でも同じでした。

しかし妖怪として見てみると、なぜかイヌの妖怪の方が圧倒的に少ないのです。

ぱっと思いつく有名な妖怪を挙げると、イヌですと犬神(妖怪というか憑き物ですが)、送り犬ぐらいなもの。

しかしネコは、化け猫、猫又火車五徳猫、さらにマニアックで紹介できていないのを含めるとまだまだいます。

この差は何なのか?

 

さて、江戸時代でもペットの二強はイヌネコとは書きましたが、実はぶっちぎりで人気だったのはネコさん。

例えば冒頭で使った画像を描いた歌川国芳なんかは、自画像にも猫を入れるほどの大の猫好きで有名です。

猫がダントツで人気だったのは、ネズミ駆除という実利も兼ねていたから……との説が一般的ですが、僕はそれに加えて江戸っ子の気質と、猫の自由気ままな気質が合致したからではないのか? とも思っています。

なんとなく猫って、江戸っ子っぽくないですか?笑

 

とはいえ犬妖怪の少なさはちょっと謎です。

そこであれこれ調べてみると、イヌがペットとして定着した時期に秘密があるんじゃないか、ということが解りました。

知っている方もいるかとは思いますが、イヌはなんと元は食用でした。

その文化は江戸時代に入っても続き、故に犬はペットというよりは家畜だったのです。更に野犬も非常に多く、江戸では多くの犬に噛まれる事故が起きていたといいます。

つまり江戸時代の人にとって、イヌのイメージってそもそもあまり良くないんですよね。

妖怪となる上で、実は「愛情」というのもかなり大事な要素なんじゃねぇかと僕は思うのですが、その僕の理屈でいけば、猫、狸、狐に比べ、イヌというのはあまりにもイメージが悪く、「妖怪にすらしてやらねぇよ」と思われていたんじゃないか、とすら思うのです。

 

「ちょっと待てよ犬も人気のペットだったって言ったじゃねぇか」

と思った方もいるかと思います。

今僕が書いたような「イメージ最悪の犬」は、あくまでも江戸のある時期までの話。

そのある時期に、イヌ達にとっては救世主となる人物が現れ、状況は一変するんですね。

その人物とは、第五代将軍徳川綱吉。

綱吉と言えば、天下の悪法と言われる「生類憐みの令」を行った事で有名です。

簡単に言えば「虫一匹殺しちゃならねぇ」法でして、悪法と言われているのは丁度その時期に飢饉が起きていて、餓えまくってるのに鳥も喰えないたぁどういうこっちゃ! という事からでしょう。

しかし悪いことばかりじゃなかった。

特に犬が大好きだった綱吉は(自分が戌年であることもあり)、江戸中の野犬を保護し、わざわざ一匹ずつ登録したのです。

これにより、町民を怯えさせていた野犬による被害はなくなり、疫病もグッと減ったといいます。更に犬を敬うようにもなり、犬食文化もほぼなくなって、それ以降犬はペットとして愛されるようになるのです。

(それ以前にも犬をペットとしていた人間はいたようですが、猫に並ぶ人気ペットに昇り詰めるには将軍綱吉の存在は欠かせなかったでしょう)

 

――さて、この事からもう一つの「犬妖怪が少ない理由」が見えてきた気がします。

ずばり、歴史が浅い、ということが言えるのではないでしょうか?

いくら妖怪乱発の江戸時代とは言っても、妖怪が妖怪として「深み」を持つには相応の歴史が必要です。

人間に纏わる怪異や妖怪でしたら、「あぁあるある」って事でぽっと出の妖怪でも受け入れられる可能性はあるんでしょうが、動物となるとやっぱり愛されてきた期間の短さというのは致命的な気がします。

 

追記・メールにて、犬を愛する方より犬の歴史に関する僕の誤った認識を指摘していただきました。確かに調べると犬は太古の昔、石器時代や縄文時代からもペットとして飼われていた可能性があるようで、そうなると猫よりも遥かに人間との歴史は長いことになります。

それなのにやはり猫の妖怪が多いのは、「猫は魔性のもの」というイメージが、猫の特性などから連想されやすかったからであろう、とも教えてくださいました。

そうなのです。やはり猫は、妖怪的素質が多く備わっていたのでしょうね。

 

 

他に考えられる理由は……

犬がオオカミと一緒にされてオオカミに妖怪としての手柄とられてるから、とか。

あとはやっぱり動物としての性格もデカイんじゃないかな、と思います。

従順にいつも傍にいてくれちゃう犬より、目を離すとフラっとどっか行っちゃう猫の方が、「あいつどこ行きやがった? まさか……」というような想像妄想がしやすい気がします。

謎、というのはやっぱり妖怪には欠かせませんからね。

 

では最後に、今後「妖怪になりたい!」と思ってらっしゃる動物様方向けに、激励の言葉を書いて終わりたいと思います。動物の皆さん、まだペットとして認知されていなくても、努力すれば報われる(かも)んですぞ!

※解らない言語があった場合、勇気を出して獣医さんの元を訪ねて聞いてみてください。あるいは別種の動物さんに助けてもらってください。くれぐれもペットショップには行かないように。ペットにされますから。

 

秘訣はミステリアスな要素、ですよ!

 

ニャワン、ポンポココンドゥルモ~イヤン。デモネ、キエェ~ネメェェ~ヤメテェェェ、ッテマエムキニカンガエレバイイトオモウヨゥ。

 

……なんだこれ。