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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

妖怪展と妖怪フィギュアを繋ぐ安珍

『妖怪へぇこいたの手記』

今日は一人さむしく横浜駅のそごうでやっている「幽霊・妖怪画大全集」という妖怪展へ行ってきました。

僕の弟がわざわざその存在を知らせてくれた妖怪展でして、もう今月いっぱいで終わっちゃうということで慌てて行って来たわけです。

 

なんでも福岡市博物館に所蔵されている吉川観方のコレクションをご披露してくれるとかで、目録を見ても実に「見たい」ものばかり。

この妖怪図鑑で贔屓しまくってる月岡芳年の作品も沢山、その師匠歌川国芳の作品も沢山、さらにがしゃどくろの元の絵といわれる『相馬の古内裏』も見れるとあっては行かなきゃソンです。

 

はるばる横浜に降り立ち、迷いに迷ってなんとか辿り着いたそごうの六階。

幽霊・妖怪大全集展の入り口前にはスケベにも水木先生の絵を売ってる一画がありましたが、吉祥寺の東急でもほぼ同じものを眺め済みな僕は華麗にスルーし、すぐに妖怪展へと突撃しました。

 

最初に早速『相馬の古内裏』はありましたが、全部じゃなく部分だったのが凄く残念。

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↑が歌川国芳の『相馬の古内裏』。この絵は三枚から成っているのですが、左の一枚だけありませんでした。でもまぁ感動。

 

その後、幽霊のコーナーを抜けて妖怪のコーナーへ辿り着くと、なんと『百怪図巻』がありました。そういえば『百怪図巻』は福岡市博物館所蔵の吉川 観方(よしかわかんぽう)が所持してた、とwikiにも書いてありましたが、そうかまさにその方の妖怪展だったのか! と、行ってから知るおちゃめな僕。

でも『百怪図巻』も全部は見れませんでした。目ひとつ坊からかみきりまで。丁度絵巻の終盤ですね。うぶめとか火車が見たかったなぁ~。

 

そんな中、僕の目を釘付けにしたのが……

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芳年の『和漢百物語』の清姫です。

なんだか最近、やけに清姫さんとは縁がありまして、つい嬉しくてじっと眺めちゃいました。

 

というのも、最近街をぶらぶらしていた際に妖怪フィギュアのガチャガチャを見つけてですね、しかもそれが鳥山石燕の妖怪を元にしてるっていうことですぐに一回やっちゃったんですよね。その際出たのが「道成寺鐘」。

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詳細はリンクを辿って欲しいンですが、要は安珍というイケメン坊主に惚れた清姫が、嫌がって逃げる安珍を蛇に変身してまで追いかけて、挙句に鐘の中で焼き殺す――というただの可哀相な安珍の話なんです。

 

で、僕がやったガチャガチャは海洋堂の妖怪根付シリーズ第二段。竹内工房がデザインした、とのこと。

その第二段に名を連ねる妖怪は、松明丸目競天狗、そして道成寺鐘です。

鬼とか天狗とかはまぁ解るとして、松明丸はマニアックすぎねぇか??? なんてところも好感が持てました。

それはともかく、僕が回して出た道成寺鐘がこちら。

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なかなか渋いです。

そして、感動したのが、鐘の中。そう、道成寺鐘を語るには、蛇となった清姫だけではだめです。清姫が蛇になった理由の原因となっている、安珍が必要なのです。

そしてその安珍がなんと鐘の中にご丁寧に入っていらっしゃいました。

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ちょっとボケてて申し訳ないのですが、ムンクの叫びみたいな安珍がわざわざ鐘の中に入れられているのです。

安珍まで丁寧に作る仕事っぷり……これはデキル職人だぜ。

 

妖怪展の話題から蛇足的に清姫フィギュアの話になっちゃいましたが、蛇足どころか蛇体ですから許してください。

 

とにもかくにも、一方的に悪い清姫がスターで全く悪くないイケメン安珍はこの扱いだなんて世知辛いぜ……なんて思いつつ、今日は展覧会お決まりのグッズコーナーに見向きもせず帰宅した僕でした。花梨 (id:hate7510)さん、僕はポストカードの誘惑に打ち勝ちましたよ。

 

追記・とある方↓がわざわざ「全く安珍が悪くないわけじゃない」と教えて下さいました。

どうやら思わせぶりな安珍の態度が最終的に清姫をその気にさせてしまったとのこと。なるほど、それならば安易に清姫を誘惑した安珍にも非があるわけです。

更に、道成寺伝説の地元では、「女性は大切に扱うように」という教訓として伝わっているそうです。

コメントが繋ぐ正しい知識! これまた素晴らしき怪異!