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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

嘘狸(きょれい)

『うぃき的現代妖怪絵巻』

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ドラメイ@瀕死様提供「嘘狸」

 

 狸は多くの場合ユーモラスなイメージを持たれている。というのも狐や獺に比べてどこか抜けており、怖さとは遠い場合が多いからであろう。

そんな化け狸の中でも、この嘘狸は飛び抜けて間抜けである。

化けるのは上手いにも関わらず、服の色はタヌキカラー、尻尾は自慢したいのかと思う程に出ており、またご丁寧に耳まで残っている。

しかしこの嘘狸の凄いところは、「あからさま過ぎて逆に怪しまれない」という点にある。昭和までは隠れて暮らす苦難の日々が続いたようだが、平成へと時代が移ろい、ファッションも人々の価値観も大きく変わり、混沌としているこの日本においては「なにあのコスプレ可愛い」とすら言われるほど。

だが狸は狸。どうしても人間達を見下してしまう性格が治らないようで、共存したい意志はあるもののどうしても粗相が多い。そんな彼に付いたあだ名が「虚礼君」だった。

虚礼とは誠意の感じられない上っ面な礼儀を指す良い言葉ではないものなのだが、そこはどうしてもタヌキ。それが最高の褒め言葉と勘違いし、自らを嘘狸(きょれい)と名乗るようになったという。

 

現代には、多くの化け狸化け狐がこっそりと人間に溶け込んで生活している。

しかし嘘狸ほど自分をさらけ出し、かつ共存することに成功している狸は珍しいだろう。

 

尚、虚礼が嘘狸という字に変わったのは、嘘狸自身が「俺、実はタヌキなんだよね」と周囲の人間に公言し続けているかららしい。

ほんとなのに。