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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

象を背に弓を引く「将武(しょうぶ)」

『和漢百物語』
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『和漢百物語』より「将武」
 
将武は中国の弓術に秀で、狩猟を生業としていた武人である。
パッと見「武将」に見えるが、逆。
尚、日本にも平将武なる平氏の武将がいるのだが、それとは無関係である。
 
さて、この絵がどういうシーンかというとーー
将武の元にある夜、猩々(しょうじょう。中国の妖怪)が象を引き連れて訪ねてきた。
猩々が言うには、象が兼ねてから恨みを持っているウワバミを退治して欲しい、とのこと。
仕方ねぇなぁ、と将武は象を連れ、そのウワバミ退治へと赴く。
そしてウワバミに遭遇し、「象さん見てろよ! 俺はキリンさんの方がもっと好きなんだぁ!」と言ったか言わぬか、弓を引いて放った瞬間の絵が、この絵である。
 
因みにこの一撃でウワバミの眼を射抜き、やっつける事ができた。そしてお礼に沢山の象牙を貰ったのだという。
・・・・・・象牙!?
 
しかし芳年のセンスは流石である。
弓を構えているところではなく、まさに弓を放った瞬間を描くあたりが素敵。
黒い背景に溶け込むかのように大きく描かれている象も威圧感があってかっこいい。
尚、ウワバミとは大きな蛇を指す言葉。と同時に伝説上のオロチのような蛇を指す場合もある。
何にしろ、このデカイ象さんでも嫌がる蛇なんだから、よっぽど大きかったのだろう。