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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

月岡芳年『和漢百物語』頓欲ノ婆々

『和漢百物語』
頓欲ノ婆々
『和漢百物語』より「頓欲ノ婆々」
 
オーマイガッ! なスーパーリアクション婆ちゃん。このしわくちゃな婆ちゃんに見覚えは無いだろうか?
そう、これは『新形三十六怪撰』でも同じシーンが描かれている、舌切り雀の強欲婆ちゃんである。
 
画中の解説文にも、
「身体は軽いのに欲は重く、選んだ重い葛籠からはももんがぁ(化け物)が出てきた」
のように書かれている。
『和漢百物語』のびっくりばばあもなかなかだが、『新形三十六怪撰』の腰抜かしばばあもなかなか良い。
おもゐつつら
『新形三十六怪撰』より「おもゐつつら」
 
共通しているのは、葛籠から出てきた妖怪達が、どことなく「王道を外れた」妖怪であるという点。
うまく言えないのだが、おどろおどろしい妖怪ではなく、ファンタジーな妖怪、という感じであること。うん、うまく言えない。
だが力んだ感じの無い、ユーモラスな妖怪達の雰囲気は感じることが出来るのではないだろうか?  
 
とにかく!
舌切り雀のエピソードが教えてくれる教訓である「強欲はいいことない」というのを最も端的に描いた絵であり、解説文最後にも「勧善懲悪の教訓」とも書かれている。
 
やはり強欲は悪なのか!
そういえば映画「セブン」では七つの大罪がテーマになっていた。ブラピとモーガンフリーマンのやつ。ほぼ忘れちゃったけどそれ以来デビッドフィンチャーが好きになったのは覚えてる。
七つの大罪の内に、強欲も入っている。因みに七つの大罪はキリスト用語であり、七つとは「暴食」「色欲」「強欲」「憂鬱」「憤怒」「怠惰」「虚飾」「傲慢」を指す。
そして「強欲」を司る悪魔とさらているのが「マンモン」という悪魔。さらに、強欲を司る動物とされているのが狐やハリネズミ。
なんと! 強欲を描いたこの芳年の絵にも狐とハリネズミの妖怪が……いない! 残念。