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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

月岡芳年『和漢百物語』宮本無三四

『和漢百物語』
宮本無三四
『和漢百物語』より「宮本無三四」
 
バガボンドでもお馴染み。ご存知宮本武蔵(ここでは無三四)と天狗との対決を描いたこの絵。
「天狗との対決なんかしたっけ?」
と思う方もいると思う。
宮本武蔵と言えば、巌流島での佐々木小次郎との対決で有名で、さらに日本での武術家としては破格の知名度でもある。
しかし実は佐々木小次郎との決闘も、様々な史料に書かれていて、コレ、と言ったものがなく、下手をすれば創作の可能性すらあるらしい。
 
そんな数多くの謎と伝説を残す人物に様々な脚色、装飾された武勇伝が生まれぬはずが無い。
この天狗との対決も、そうして作られた宮本武蔵武勇伝の一つ。
画中に書き込まれている解説文には、
「山中にて山伏と出会い対決することになり、見事打ち倒したと思ったら天狗へと姿を変えて逃げ去ってしまった」と書かれている。
 
そしてそのシーンを描いた芳年の絵は、これまた見事の一言。
シンプルな天狗と武蔵だけの絵なのに、武蔵の強さ、剣術の巧さ、大胆さなどを感じられる奇抜な構図となっている。
長く尾を引く天狗の血と、振り切った刀、武蔵の顔、そのどれもが「面白い」。
これまた芳年の発想力の凄さを伺える神がかった一枚である。