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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

ぽんぽこの妖怪大作戦がマニアックだった件

『妖怪へぇこいたの手記』

つい最近、タヌキさん妖怪をまとめる記事を簡単に書きまして、その際平成狸合戦ぽんぽこにも触れました。

書き終えてから、「そういやぁ最近見てなかったな」なんて思いまして、久しぶりに見返したんです。

実にいい映画ですね、やっぱり。

ざっと十年以上前の映画なんですね。

……え? ウソだろ? 十年も……。

これはぽんぽこに限らずですが、映画って数年経てから見ると全然違う風に見れますよね。音楽で例えれば、

「みんなが素晴らしい、っていうからビートルズ聞いたけど全然好きになれなかった。でも二十歳過ぎてもう一回聞いてみたら鳥肌立った」

みたいな。たぶん。

因みに久しぶりに見た、すっかりオッサンに片足踏み入れた今の僕は――二回も泣きました。老いると涙腺緩むっていうのはマジですね。タヌキに泣かされるとは思いませなんだ。泣くような映画だったっけか?

 

――んでもって狸。

実は僕は、ぽんぽこの舞台になっている多摩ニュータウンにそこそこ近い位置に実家がありまして、そういう意味でも親近感のある好きな映画だったわけです。

たまぁに実家に帰る際は、まさに開発済みでもう随分落ち着いちゃったニュータウンの街並みなんぞを「じょいやっさぁ」しながら帰るわけですが、人間ってのは数年であんなのおっ立てちゃうんですからすごいもんですよ。

 

話は随分逸れましたが、ここで一気に戻しまして、ぽんぽこ内でも重要なシーンである妖怪大作戦についてです。

もし見ていない方がいたら申し訳ないのでネタバレは努めて避けますが、とにかくそういう一大作戦が行われるんです。

で、随分妖怪に詳しくなった僕は、マニアックかつコダワリの妖怪描写に大変ニヤニヤしながら見ることができました。

様々な妖怪画から有名どころを一気に集めた感じでしょうか?

 

がしゃどくろもいたし、インパクトだけは凄いべくわ太郎なんかも巨大化して大活躍でした。提灯お化けも勿論いましたが、なんとなぁく『百物語』の「お岩さん」的でした。それよりも一番面白く見れたのが、百鬼夜行絵巻の妖怪がいっぱい出てきたこと。絵巻の妖怪が走り回ってるぜェェェ! って感じで興奮できました。随分僕も憑りつかれてるみたいです。

 

――さて四国の狸。

何度も書いてますが、狸と言えば四国です。

ぽんぽこでも四国から名狸が集められるんですが、その名狸の描写も知らぬ人なぞ置いて行け――な容赦の無い拘りっぷり。

集められたのは隠神刑部(いぬがみぎょうぶ。四国で八百八の狸を従えてたすげぇ狸)、金長狸(阿波の狸合戦のメイン狸)、そして屋島の禿げ狸(阿波狸合戦では最後に仲裁に入った人。じゃなかった、狸。超長寿)。

 

長老達が多摩の狸の元へ来て、まず禿げ狸の誕生日を祝うくだりがあります。

そこで禿げはお礼にと那須与一に化けて弓で的を射るのですが、若干の説明はあるにしろ、「禿げ狸は源平合戦もその目で見てきたから」という事を知っていなければ理解し難い気がします。う~ん、マニアック。

さらに妖怪大作戦では主に隠神刑部が巻物くわえてメインパワーとなるのですが、それも「隠神刑部は四国で一番すごい神通力を使えたから」だと知っていなければ僕ほどニヤニヤはできなかったでしょう。う~ん、マニアック!

さらにさらに、金長狸の様々な振る舞いも、阿波狸合戦における金長と六右衛門に被るような気がしなくも無くも無くも無い。う~ん、これは絶対深読みしすぎ!

 

――さて狸。

久々に見返したせいもあってか、随分長く感じました。

これは多分、語りを入れることで多くのシークエンスを凝縮している構成のせいかな? と思いましたが、トータルの流れではすごくキレイにまとまってて感動です。

 

浅く見れば人間がした行為への批判、とだけ受け取ることもできちゃうのかも知れませんが、深く考えながら見てると、結局はどっちもどっちで、共生するのってほんと難しいヨネ、っていう風に見れます。

これは妖怪と人間も同じこと。

今じゃ妖怪なんか趣味じゃないか! 最早趣味だ! 畏怖の念はどこへいった!?

人々の恐怖はどこへ消え失せたのかと聞いてるんだよぉぉ!(因みに僕の一番の恐怖は友人からの結婚式への招待状です)

 

……じゃあどうすればいいのか?

――そんな感じのキモチを、まさにぽんぽこからは感じました。

タヌキも僕も、最後にはよく解らず、足掻くしかないのです。

というか、ぶっちゃけますけど、妖怪の場合は妖怪さんがガチでいっぱい出てきてくれれば済むんですけどネ。

ネ。

妖怪さん……ね!

 

 ネ!!