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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

地獄太夫悟道の図

『新形三十六怪撰』
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『新形三十六怪撰』より「地獄太夫悟道の図」

地獄太夫とは、地獄の太夫ではなく、名前を自ら「地獄」と名乗った遊女なのである。
なぜ「地獄」などと名乗ったのかと言うとーー
ある少女が山中で賊に攫われてしまった。しかしその少女が物凄く美しかったため、賊は遊郭へと少女を売り渡した。
少女は遊女として育っていったのだが、そういった自らの不運は全て前世での行いの報いであると考え、この世は所詮地獄よ、という意味を込めて自ら「地獄太夫」と名乗った。

さて、この地獄ちゃんも相当変わっているが、当時その界隈ではもっと変わった有名人がいた。それこそご存知一休さんのモデルとなった一休宗純その人である。
なんと一休は地獄に会いに遊郭へとやってきた。
しかしまさかの意気投合。詩の掛け合いもバッチリで、地獄太夫は一休宗純と師弟関係を結ぶこととなった。
そしてそのお陰で、地獄太夫は現世も地獄も凌駕する悟りを得た。
若くして死んでしまった地獄太夫だが、辞世の句として「私が死んでも埋めたり焼いたりせず、野に晒して犬の腹をこやせ」という意味の句を残して死んだ。

現世の不幸を前世の自分のせいと背負いたくましく生きるーー。
到底常人には真似できない、それこそ地獄を見た者のみが到達できる境地なのではないか。