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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

大森彦七道に怪異に逢ふ図

『新形三十六怪撰』
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『新形三十六怪撰』より「大森彦七道に怪異に逢ふ図」

優しいおっさんが美女を濡れないように川を渡っている図ーーとパッと見では思うかも知れないが、実はこのおっさん、ピンチの真っ只中である。
川の水面を見ると、美女の影に角が生えているのがわかる。そう、この美女は鬼女なのだ。

で、どういうシチュエーションかと言うとーー
大森彦七(彦七は通称で、本名は大森盛長)という、楠木正成を自刃へと追いやり、その功で領地を貰って出世した武将が、矢取川という川の岸で美女に声を掛けられた。
「こんな流れの速い川、とても私のような女では渡れません。どうか助けてくれませんか?」
美女の頼みを断れないのは男の性。しかも美女とあっては尚更のこと。
「任せなさい」
と大森彦七さん、美女を担ぎ川を渡り始めた。
しかし彦七は川面に映った美女の影を見て驚く。
「角……だと?」
その瞬間、美女は本性を現し、自分が楠木正成の亡霊であることを告げ、彦七に襲いかかった。
しかし彦七は正成の亡霊をなんなく投げ飛ばす。
亡霊はそのまま天高く昇り消えてしまうが、彦七は謎の精神錯乱を起こしてしまう。
しかし大般若経を唱えることで彦七は平静を取り戻し、ことなきを得た。ちゃんちゃん。

ーー教訓としては、美女に担がれてもいいけど担ぐな、か。
……違うだろ。