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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

宝船(たからぶね)

『百器徒然袋』

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『百器徒然袋』より「宝船」

宝船は、『百器徒然袋』の最初と最後に描かれている。

『百器徒然袋』内の妖怪が、全て「夢のうちにおもひぬ」という石燕の夢であったという形を取っている為、縁起物として枕元に飾ったり、描かれた絵を枕の下に入れておく――といった夢とも関わりの深いこの「宝船」で、『百器徒然袋』の枠としたのかも知れない。

 

文章は――

ながき世の とをのねぶりの みなめざめ 波のり船のおとのよきかな

 

である。

実はこれは有名な回文であり、ケツから読んでも同じようになる。

 

なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな

 

長きに渡り妖怪を描き続けてきた鳥山石燕。

その最後に、妖怪という曖昧で掴みどころの無いモノを「宝船」で纏めるという最高にカッコいい締めくくりを持ってきた。

回文になっている宝船を描いたのも、様々な想像を掻き立てられるなんとも憎い演出。怪文である。

 

鳥山石燕という江戸を生きた浮世絵師を想いながら、この回文を読み、絵をじっくりと見てみて欲しい。

 

石燕先生お疲れ様。そしてこれにて『画図百鬼夜行』シリーズの妖怪を全てこの「妖怪うぃき的妖怪図鑑」に載せ終えた自分にも、お疲れ様。

石燕先生が絵に散りばめた謎や洒落はまだまだあると思います。

ぜひこの宝船の回文のように、ケツまで見てもまた頭まで見返せば、きっと新たな発見があるんでしょう。

「屁コキでも、妖怪飼うよ! モテ期越え」

「へこきでも ようかいかうよ もてきこへ」

……難しいもんだねうん(長考1時間の結果↑)。

 

 

※鳥山石燕妖怪画を紹介する上で、最もボロボロになるまで頑張って付き合ってくれた『画図百鬼夜行全画集』という文庫本、これは安かったくせにほんとに助かったし愛用したので宣伝しときます。

若干強引に文庫サイズにぶち込んだ感はあるものの、出先でもいつでも読めて石燕妖怪に触れられたので愛してます。

因みに今、僕の頭上を、付喪神になっちゃったその本がバサバサ飛んでます。カワイイけどたまにウザイです。

 

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