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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

硯の魂(すずりのたましい)

『今昔百鬼拾遺』
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『今昔百鬼拾遺』より「硯の魂」
ある人赤間ヶ関の石硯をたくはへて文房の一友とす
ひと日平家物語をよみさして、とろとろと居ねぶるうち、案頭の硯の海の波さかだちて、源平のたゝかひ今みるごとくあらはれしとかや
もろこし徐玄之が紫石譚も思ひあはせられ侍り
 
硯の魂は、赤間ヶ関産の石硯を愛用していた男に起きた不思議な怪異。または硯の妖怪である。
 
赤間ヶ関の石硯に何が起きたかは、石燕の絵を見るのが早い。
男がまどろみながら平家物語を読んでいると、なんと硯に海が現れ、兵士が現れ、さながら源平合戦のようになったのだという。
なんという3D映写機! 赤間ヶ関は平家が滅びた地であるから、平家の武士の怨念が硯に籠っていたのかもしれない。
 
それが、まどろみながら平家物語を読んでいた男の思念に呼応し、記憶を硯上に映じたのかもしれない。
 
怪異!