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妖怪うぃき的妖怪図鑑

妖怪うぃきから産まれた妖怪図鑑ブログ。妖怪の原点に触れ、もっと魑魅魍魎を知るきっかけになれば幸いです。

木より産まれし妖怪、木魅(こだま)

『画図百鬼夜行』

木魅(こだま)

鳥山石燕『画図百鬼夜行』より「木魅」

百年の樹には神ありてかたちをあらはすといふ

 
百年を経た老木に宿るとされる木の精霊、もしくは神様の妖怪。
鳥山石燕の絵では老夫婦が描かれており、なんだかほっこり。
ちなみに鳥山石燕の妖怪画シリーズの最初の一冊、「画図百鬼夜行」における一番最初の妖怪でもある。
ちなみにもちろん「木霊」や「古多万」と書き表したりもする。
木魅の背後にある気は松であり、もしかしたら『画図百鬼夜行』のスタートとして、松竹梅の松を選んだのかも知れない。
また木を神聖視する動きは古くからあり、『古事記』にもククノチノカミという木の神様が出てくる。
 
この夫婦は、能の「高砂」でも知られる松の精をモチーフにしていると思われ、さらにほうきと熊手はそれぞれ「百」と「九十九」を現すというものが謡曲にあり、百鬼夜行の最初に、これから百いくでぇ! という洒落の意味での木魅なのかも知れない。
 
何にしても、この緑溢れる地球で、木や植物になんらかの神聖なものを感じ取るというのは至極自然なことであるように思う。
僕なんかも実は木に話しかけていた時期があったりする。マジで。
 
尚、石燕の『画図百鬼夜行』シリーズ四作品の中の、最も最初のこの『画図百鬼夜行』では、解説文のある妖怪は極端に少ない。しかしこの木魅は、のっけの気合ということか、解説が少しだけ付いている。
とにもかくにも、ようこそ鳥山石燕の妖怪画の世界へ! 
この人とにかく言葉遊びや洒落を絵に込めるので、それを考えるだけでもずいぶん楽しいはず。
ただ……全てを理解するにはきっと相当な教養の持ち主である必要があると思われ。
僕むり。